自己破産できない人とは?

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債務整理の中でも借金をゼロにできる「自己破産」。しかしながら、誰でも成功できるわけではありません。裁判所から自己破産を認めないとの判断がくだされれば、自己破産はできないのです。

本記事ではどのようなケースにおいて、どういった人が自己破産できないのかについて解説します。

自己破産ができない人とは

「借金の返済がきつく自己破産がしたい」と思っても裁判所が認可しなければ自己破産はできません。よく自己破産は最終手段と言われるように、本当にそれ以上打つ手がない状況に陥ったときに認められるのです。

またそれ以外にも、不当行為を行ったり、借金を背負うのは至極当然と思われる行為を行ったりした場合も自己破産は認められません。おおむね以下に該当する場合は自己破産が認められない可能性が高くなります。

  • 裁判所費用を払えない場合
  • 借金返済の余力があると認められる場合
  • ギャンブルや投資、浪費などが原因で借金を作った場合
  • 借入れが複数あるにも関わらず特定の借入先のみに返済してしまった場合
  • 財産隠し等を行って裁判所に申立てを行った場合
  • 前回の自己破産から7年が経過していない場合

裁判所費用を払えない場合

裁判所に費用を払えない場合は自己破産手続を進められないため、自己破産はできません。裁判所に支払う費用は予納金といい、これを納めることで手続を進めてもらえます。

「お金がないから自己破産するのでは?」と思ってしまいますが、弁護士や司法書士に依頼することにより、しっかりと対策を立ててもらうことができます。

例えば、弁護士や司法書士に依頼することにより、債権者からの取り立てをストップできるので、その間に費用等を積み立てておく、という方法もあるのです。

借金返済の余力があると認められる場合

「借金返済はまだできるだけの余力がある」と裁判所に判断されれば、自己破産はできません。自己破産が認められるのは「借金の返済が不可能」と判断された場合のみです。これは「破産法第15条1項」に制定されています。

(破産手続開始の原因)
第十五条 債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、第三十条第一項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。
引用:e-Gov法令検索 破産法(平成十六年法律第七十五号)
(https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075#Mp-Ch_2-Se_1-At_15)

つまり「預貯金が十分にある」「高額な収入がある」等の状態では「支払い不能とはならない」ため、そもそも破産手続きそのものが開始しないことになります。

ギャンブルや投資、浪費などが原因で借金を作った場合

借金を作った原因がギャンブルや投資、浪費などである場合、自己破産はできません。これは「破産法第252条1項4号」に制定されている「免責不許可事由」に該当するためです。

(免責許可の決定の要件等)
第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
四 浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
引用:e-Gov法令検索 破産法(平成十六年法律第七十五号)
(https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075#Mp-Ch_12-Se_1-At_252)

裁判所によって、いわゆる「債務者の自業自得」と判断された場合に自己破産はできなくなるのです。

借入れが複数あるにも関わらず特定の借入先のみに返済してしまった場合

例えば借入先が3社あったとして、そのうちの1社からひいきにしてもらっていたことなどを理由に、その1社のみに優先的に借金を返済してしまった場合等が挙げられます。

債務者本人に悪気はなくてもこういった行為は「偏頗弁済(へんぱべんさい)」となり、債務整理において禁止されている行為なのです。これは「破産法第252条1項3号」に制定されています。

(免責許可の決定の要件等)
第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
三 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。
引用:e-Gov法令検索 破産法(平成十六年法律第七十五号)
(https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075#Mp-Ch_12-Se_1-At_252)

つまり債権者に対しては誰であろうが平等に扱われ、債務者の財産は債権者に平等に分配されるべきとの考え方に基づいています。こういったことから、事前に「偏頗弁済(へんぱべんさい)」を行ってしまった場合、自己破産ができない可能性があります。

偏頗弁済(へんぱべんさい)とは

財産隠し等を行って裁判所に申立てを行った場合

財産を意図的に隠すなどして裁判所に申立てを行ったことが発覚した場合は、自己破産はできません。自己破産は債務者の手持ち財産を処分してお金に変え、債権者へ分配します。

債務者が手持ち財産を隠してしまうとそれだけ分配金が少なくなります。こういった行為は債権者の利益を不当に侵害する行為として「免責不許可事由」に該当」します。

またそれだけでなく、納入すべき財産を本来より少なく申告する「過少申告」となり、虚偽の申告を行ったことにもなります。

程度が悪質である場合は「詐欺破産罪」よって処罰される可能性もあるので注意しましょう。

前回の自己破産から7年が経過していない場合

自己破産は短期間のうちに何度も繰り返し行えないようになっています。過去に一度自己破産をしている場合は、前回の自己破産免責許可決定から7年が経過していなければ、再度自己破産はできません。

7年が経過していれば自己破産じたいはできますが、注意点として再度の自己破産は裁判所の審査が厳しくなる傾向にあることを留意しておきましょう。

まとめ

本記事では自己破産ができない人について解説しました。免責不許可事由として、いわゆる「借金を免責するにふさわしくない人」と裁判所に判断された人は自己破産ができません。

自己破産を失敗に終わらせないためにも、弁護士や司法書士としっかり打ち合わせをし、事前対策を万全にしてから申立てを行いましょう。

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